三ヶ月坊主

個人的嗜好をSexyと戦わせるゆるオタク

We're timelesz LIVE TOUR 2024感想前半

◾️入場〜開演まで

 客入れの音楽で異変に気付いた。全部Sexy Zoneの過去曲だ。私が入ったコンサートでは初めてだった。しかも最近の曲から昔の曲まで幅広く流れる。『だって太陽は君なんだ』、名曲。イントロドンできそう。もうここで、Sexy Zoneへの惜別の念を感じ取り、ぐっときた。

 セットも、ここ最近(ポプステあたりから?)の特徴だった異常な作り込みの街並みが影を潜め、おそらく過去一シンプルなものに。リペよりシンプルだと思う。複数の立方体をランダムに繋げたような、いかにもプロジェクションマッピングしやすそうな……端的に言うとPerfume育ち人間大好きセット。一体何が始まるんだ、という不安の混じったワクワクが止まらない。
◾️OP

 「挨拶回り」がコンセプトだ、という風磨くんの言葉通り、アイドルのマネージャーになった三人があの手この手で奮闘する映像。ティザーの印象から大きく外れる事はなく、コミカルかつ等身大だった。さすがスーツのCMを長年やってきただけあって様になりまくっている。

 初日のMCでは聡ちゃんが「今までのOPとは違う感じ、今までもっと佐藤勝利!バーン!菊池風磨!バーン!松島聡!バーン!みたいな、アイドルってそんな感じじゃん」的な事をめちゃくちゃ表現力の高い描写付きで言っていたが、確かにOP映像としては今までと雰囲気が違ったなというのはある。ただ、ああいう質感の映像というと、私はザ・ハイライトツアーで流されたForever Goldの変身映像を思い出す。あれは健人くんが監督した映像で、今回と同じく全員スーツを着ていて、過程は違えどアイドルではないメンバーを描いていた。あの時は"アイドルの復活"を、今回は"アイドルの誕生前夜"を描いている。アイドルについて何かを表現する時にアイドルではない自分たちを出す、という方法論が、もし健人くん監督のあのゴールデン・タイム映像から引き続いているものであれば、なんだか嬉しい。

◾️RUN

 OP映像の最後が慌てて走り出す三人の姿で、そこからRUNの流れは風磨くんが自画自賛するのもよく分かる綺麗なものだった。ChapterⅡのアンコール最後の曲だったRUNで始める…というのもアツい。まあ東京ドームオーラスはフィル青だったんですけどそこは例外ということで…

 なんとなく、Anthemから始めそう…今回のリード曲だし、曲調もちょうどいいし…と思っていたので、始まった時はそう来たか!と思った。この感覚自体が伏線だとは気付きもせず…

 機構的にも最初から惜しみなく披露されていて、まず三人それぞれの足場が動き始めた時点で、個人に与えられたボックス大好き人間大興奮。ちゃんと下にそれぞれの映像も映るようになっていた*1。そして向かい合うようにしてRUNの歌詞を噛み締めるように歌いながら、中央にせりあがってきた透明なステージに三人が足を踏み出す。あれ?せりあがる透明なステージ…?と思っているうちにステージが前方に動き始め……ムビステだ〜〜!!!ここで初日の会場ボルテージいきなり大爆発。とうとう満を持してムビステデビュー。グループとしても初だし、私個人としても生でムビステを観たのは初だった。ここで美術セットが例年よりシンプルである謎が解ける。ムビステ始めとする機構に資金を突っ込んだんだな…?これまでひたすら自分たちの足で走る演出が多かったRUNで、まっすぐムビステで後方に突き進んでいく三人を観て、なんとなく、ああ夜が明けたんだなあ…と思った。今までとは完全に違うフェーズに来たのだ、と一発で分からせる巨大機構、ムビステ……

◾️Trust Me,Trust You

 二曲目にこれを選ぶ弱さが……言葉として合っているか分からないが一旦そう呼ぶ……私の好きなSexy Zoneのコンサートだった。歌詞的に選ばれそうな気はしていた。不安や疑心やうっすらとした絶望が漂うこの曲を、ここで包み隠さず出せちゃう強さ。弱さであり強さなんだよ、分かるか……

 結局「それでも何かを信じた」であり、「だからその日までTrust Me,Trust You」なんだよな。「何も出来ず自分責めた夜も沢山あったね」の風磨くんの顔…そんな事言うな……

◾️人生遊戯

 完全にChapterⅡのドーム前の状況にぴったりハマる楽曲だと思っていたから、あの時と全然違う世界に来た今この瞬間にもハマるとは思わなかった。一度トラトラで落ちておいて、この曲で歯を食いしばって鼓舞してくる。初日、どこかのタイミング(Forever Gold後の口上だったか、最後の挨拶だったかちょっと記憶が曖昧)で風磨くんがこの曲から"捲土重来"を引用したあたりからも、やはり今のグループを表す重要な楽曲なんだな、と感じた。

 そして個人的にはこのあたりではっきりと、過去曲の振付から歌割から全てを再構築するつもりだ、と理解させられ始めた。健人くんが歌っていたパートの引き継ぎが実に自然で、振付も四人ありきで作られていた部分が違和感のないように三人用に作り直されていた。細かく細かく分解して、再構築していく作業を、このコンサートを通じてやろうとしているんだ……と理解し始める。

◾️Forever Gold

 過去のドームツアーどちらでも重要な楽曲として扱われていたから、今回はやらないんじゃないかと思っていた。ので、意外とあっさりやって驚いた。過去ツアーでは「グループのこれまでの歴史を懐かしんで肯定する」という感じの使われ方をしていたが、この位置であっさりと使う事で、これまでの総括とは違う方法を使おうとしているんだな…という印象を受けた。

 この曲の終わりに、三人がそれぞれ最初の挨拶や煽りをする。風磨くんのコンサートタイトルの言い方が、健人くんの言いそうな言い方・発音で、あっ……と思っているうちに次のパートに入る。

◾️ダンス・ラップパート

 しゃかりき照明パートの後に、ステージ下手で誰かが一人で踊る姿が、背景の白バック映像にシルエットで映し出される。ダンサー?いやこのダンスは…!となった瞬間、聡さんの顔がバーン!俺たちギャー!ここ楽しかった。聡ちゃんの誘導で同じように踊る上手の勝利くんがフィーチャーされるが、ここの振付がやっぱりSHOCK感あって上品で、ここの差別化〜!という思いでまた大興奮。そして風磨くんが上から登場し、新作ラップを披露。ちゃんと歌詞は覚えていないが、まあ決意表明である。風磨くんの周囲の映像には、満ち欠けした月が複数映る。おそらくは時間→暦からの連想だろう。この後も、月や時計のモチーフは随所に出てくる。

◾️Sleepless

 「less繋がりでやるかもな〜ガハハ」とは思っていたが本当にやった。さすがにそんな理由じゃないと思うが。トラトラのカップリング曲(MVもあるので実質両A面に近いが)なのもあり、言っている事はかなりトラトラと近い。ここは演出がめっちゃ好きだった。セットと背景ディスプレイの形状を活かし、それぞれが立方体に座って歌ったり、時計の内側を剥き出しにしたような映像がマッチしていたり、ダンサーの登場の仕方がめちゃくちゃカッコよかったり……というか、ここまでダンサーなしで三人だけでやってたんだ、というのを今更ここで気付く。三人の存在感だけで全く違和感がなかった。

◾️If Wanna Dance

 雨音から続く足音、これが響き渡った瞬間の初日会場のうねり本当にエグかった。イントロが始まってからも嘘でしょ!?マジで!?!?のこもったキャーが聞こえ続ける。俺たちはずっと幼い頃からこういう事をやり続けてきました、の自負と風格が半端じゃない。初日のMCで触れていたが、グループとしてやるのはウェルセク以来実に8年ぶりとの事*2。会場の結構な数のオタクが初めて生で観たのではないだろうか。これは今回、本気で過去の過去から全て探り直していくつもりだ…本気だ…と感じさせられた。

◾️夏のハイドレンジア

 イフワナに続いて雨音が流れ、まだ雨の曲あったっけ?星の雨でもやるのか?と思っていたら……。やるんだ…!という感嘆と困惑が混じったようなオタクのキャーが響く。今回のコンサートはオタクのキャーがめちゃくちゃストレートに感情を表していたような気がする。私が今回初めてアリツアの初日に入ったからそんな気がするだけで毎回こんなもんなのか?

 言わずもがな、健人くんの主演ドラマ主題歌で、歌い出しもソロパートも健人くんのイメージが非常に強い曲だ。歌い出しは風磨くんが、他のパートは勝利くんや聡ちゃんも引き継いで、この曲もグループの財産としてこれからも持ち続ける意思表示に感じられた。

 個人的には、ここで初めて非常に強く健人くんの不在を感じた。もちろんRUNを始めとして、ここまでの楽曲でも不在を感じてはいたのだが、振付やパフォーマンスによる再構築とそこに込められている決意のほうに引っ張られて、考えるのを後回しにしていたというか…でもこの楽曲は振付が少なく、歌声がそのまま剥き出しになる。そうだ、今私は健人くんがいないコンサートに来ている、他のメンバーのうちわを持つ事もなぜかできず、ペンライトも白色に灯して、双眼鏡で誰かをロックオンする事もなく……

◾️puzzle

 そこからのpuzzleで、ますます心をかき乱された。多分わざとだと思う。でもイントロ終わりにぴょんぴょんと出てくる三人は相変わらず世界一可愛くて、健人くんのパートだった「僕は君が」をしょりそうが声を揃えて歌って、風磨くんが「何よりも必要なんだ」と答える様には心が温かくなった。三人がムビステで運ばれながら、四方向全てに一緒に駆け寄って手を振るのも可愛かった。最後のラララはやっぱり合唱になったが、腕の振り方が三人てんでばらばらなのもおっとりしていて良かった。

◾️過去映像〜ソロ映像

 puzzleで閉じられたSexy Zoneの歴史を再び遡るように、時系列の混在した過去コンサート映像が流れていく。そこには当たり前に健人くんもマリウスもいて、宝箱の中身を自慢されている気持ちになった。その映像が映し出されるスクリーンは、今回のセットに合わせてあちこちが正方形に欠けた形をしている。やっぱりどんなに綺麗でも過去は過去で、もう二度と戻ってくる事はなくて、完璧に保っておく事なんて無理だから、欠けているのかもしれない。考えすぎだろうか。

 そこからだんだんと三人のソロ映像が主になっていく。サマパラのソロコンの映像は、今見るとみんなまだまだ幼い。

◾️Black White(勝利くんソロ)

 加速した映像に続けて、ダンサーの先頭に出てきた勝利くんの存在感よ。勝利くんのソロといえば、等身大の青年(雨に唄えば、風景画など)かバチバチに決めた衣装のスタァ(Why?、show must go onなど)かだが、今回は完全に後者。でも今回のEPにはソロ新曲はないし、何をやるんだ…?と思っていたら、聴き覚えはあるがパッとタイトルが出てこない、なんだこれ!?!?のイントロが始まる。でも!めっちゃ!聴いた事はある!!!ていうかカッケェ〜!ショータイムだ!ショウリがアイドルとして大成した世界だ!?と思っていたら、途中から映像にタイトルを出してくれた。ブラホワ、音源化すらされていない勝利くんのソロ曲だ。初日MCで勝利くんは「あれ音源化してないよね!?」と、わりとオタク側が聴き覚えある感を出していた事を疑っていたが、映像には収録されているので……

◾️rouge(風磨くんソロ)

 こりゃ〜昔のソロ曲を掘ってくる流れですぞ…と思っていたら、メインステージ上の端と端に置かれたベッド。rouge確定演出ですおめでとうございます。リリースした17歳の頃やサマパラで披露していた20代初めの頃と比べて、実に大人の余裕と包容力に溢れたrouge。「どんな罰も受ける」の優しさ。これが成長ってやつの恐ろしさ……と思っていたら、ふっと楽曲が途切れる。え?と思っていたら風磨くんがイヤモニを外して、なんとマイクを通さない生の声で、全身から絞り出すようにして歌い始める。Baby Baby,Please don't say goodbye…後少しだけでいい……………

 なあ、これがあなたの本音か?と思わず過ぎってしまった。ごめんな、全てを深読みしてしまう状態で……。とにかくあの生の歌唱は苦しくて切実で、大人の余裕も包容力も剥ぎ取られ、実は全然あの頃と変わっていないのだ、と思い知らされるようだった。

◾️CRY(聡ちゃんソロ)

 ここまで二人とも過去のソロ曲を出してきたが、聡ちゃんはまだソロ曲があまり多くない。一体何をやるんだろう?やっぱり初ソロのBreak out my shellかな?と思っていたら、まさかの。PAGESツアーの本編ラストを締め括った曲、あの涙の時期はもう過ぎたのだから二度とコンサートで聴く事はないと思っていた。

 聡ちゃん不在で四人が回ったPAGESツアーの記憶がない人でも、四人の踊る映像と聡ちゃんが向かい合うシーンを観れば、意図は明白だろう。あの時、四人が諦めず、聡ちゃんが諦めず、ファンもCRYを聴いて泣きながらも諦めなかったおかげで、今がある。「これまでも、これからも」というtimeleszの意思を象徴するようなシーンだった。

 最後の最後に、PAGESツアーのラストに表示された絵……写真を撮るために集まった四人の元に、カメラのそばにいた聡ちゃんが駆け寄る……がまた、聡ちゃんのメッセージとともに表示された。きっと聡ちゃんは、今のうちにあの時の記憶の精算をしたかったんじゃないかな、と思う。あるいはファンがそれをできるようにしてくれたか。間違いなく、前半部の白眉だった。

◾️ダンサーパート→桃色の絶対領域

 ダンサーパートもっとオタク側が盛り上がりたいね〜とは思ったけど、いかんせん真駒内暑すぎてかなり消耗していたのはある……他会場がんばってください……なんかすごい事やってたんで……

 からの桃色の絶対領域、会場の興奮度がイフワナに続きギュインと上がる。コンサートでは初披露だし、パフォーマンス自体神サイとの共演以外なかったので、後半(共演時は神サイと絡んでいた部分)の振付は全員初見。おそらく配信ライブ時のアンケート結果が良かったので選ばれた曲というのはこれじゃないか?と思うのだが、「サビの歌詞がTick-Tack Tick-Tackランデヴーで時計モチーフだから」という理由がまだ捨てきれない。そんなバカな……

 スタンドマイクはないが、その代わり(?)人力超高速アリトロが発車して、アンニュイに手すり(脚が1本のタイプ)に手をついたメンバーがLUUP並の速度でアリーナを爆走する。正直このオモロ超絶カッコいい乗り物には健人くんも乗ってほしかった〜〜!!!の気持ちが出た。これはほんと許して。アリーナから見上げた聡さんの笑みが壮絶に妖艶すぎてその後数十秒の記憶がない。

◾️Cream

 ChapterⅡドーム同様、イントロアウトロの合唱あり。桃色から色っぽい雰囲気は残したまま可愛いパフォーマンスに移るので、セクシーもキュートも両取りできる幸せを噛み締められる。最後のふうちゃんも健在でとってもよかったです。

◾️スキすぎて

 もっと終盤とか、メドレー前後の流れとかに組み込まれると思っていたので、ここで来るのはかなり不意打ちだった。前回より覚えるの難しくなってないですか?というか単純に前回より言葉数が多いので、ちゃんと覚えていても歌うのが結構難しい。ドッキリGPで早口言葉をめちゃくちゃ言わされた結果メンバーの滑舌が向上してしまい、これぐらいならみんないけるんじゃん?となってしまったのか?ごめん……うちらケツ爆発したことなくって……

 結果、諦めて緑文字(わっしょいなど)パートで挑んでいる人がかなりいた。そっちのほうが楽しいかも。ちょこちょこエンタ世代を感じられて同世代ニッコリ。*3

◾️MC

 初日はここまでの流れの振り返りとここからの予告、二日目夜は前夜の過ごし方と爆裂シンメトークなどが主だった。オタクはシンメの喪失について想像を巡らせて勝手に涙していたの、あのさ……ほんとさ……

 勝利くんからシンメに対する羨望を聞いた(読んだ)ことはこれまでもちらほらあったけど、それに対して"シンメを持ちし者"としてポジショントーク始める聡ちゃんに笑った。去年一年間で徐々に整理をつけていた感じの聡ちゃんに対して、風磨くんはまだ慣れていなさそうで……シンメの喪失に関しては聡ちゃんのほうが先輩なのか……

 もちろん、最後に「センターが誰になるかなど、いろいろな組み合わせを楽しんでもらえるように」的な事も言っていたので、未練!という感じではなかった。ただ、大切な人たちを送り出した寂しさというのは、今回のツアーの通底に流れている。

*1:映像表示機能自体はその後あまり活用されていなかった気がするが…セットの一部としては活躍していた。

*2:ちなみにパッと出てこず、オタクの叫びに教えてもらっていた。

*3:問題になってる箇所は、個人的にもちょっと嫌である……前後の文脈から、単純に流行しているから取り上げた事は明白なんだけど、主に蔑称・レッテル貼りとして使われる言葉なので、誰かしらのチェックは入ってほしかった……